一般に金利が下がると債券の価格は上がり、金利が上がると債券の価格は下がると言われています。
実際に過去の債権と金利の関係はどうであったか調べてみました。
今回は日本国債の先物の価格と日本10年国債利回りの関係を調べてみました。
なぜ10年利回りを使うか?
金利というと預金の金利、お金を借りるときの利率などが思い浮かぶと思います。
また政策金利というものもあります。
政策金利とは、日本銀行が一般の銀行に貸し出すときの金利で金利の基本になるものです。
しかし、この政策金利は金利自由化になり、預金金利などの実際に使われる金利とは連動しなくなりました。
政策金利は数か月は固定の場合が多く、日々価格が変化する債券の価格と比べても意味がありません。
実際の金利がいくらかということを算出する事は難しいのですが、10年国債の利回りは実際の金利に近いとされています。
ということで、今回はこの10年国債の利回りを金利の代わりに使っています。
この10年国債の利回りと日本国債の先物価格を比較しています。
推移
2004年から毎月月末の国債の先物取引価格と金利(10年国債の利回り)の推移です。
オレンジの線が金利(10年国債の利回り)で青の線が国債の先物取引価格です。
金利(10年国債の利回り)は2008年位までは1.5%程度だったのが2016年にかけて0%もしくはちょっとマイナスまで下降し現在はほぼ0%になっています。
国債の先物取引価格は2008年位から2016年にかけて上昇し、それ以降は150から155の間で落ち着いています。
このように、国債の先物取引価格と金利(10年国債の利回り)は逆の動きをしています。
相関関係性
今度は2004年から国債の先物取引価格を縦軸に金利(10年国債の利回り)横軸にとったグラフです。
ほぼばらつくことなく一直線上に並んでいます。直線に近ければ近い程関係性が高くなります。
金利(10年国債の利回り)が増えれば国債の先物取引価格は下がり、金利(10年国債の利回り)が減れば国債の先物取引価格は上がります。
このグラフからも国債の先物取引価格と金利(10年国債の利回り)は非常に相関関係が高いことが分かります。
まとめ
このように債券の価格と金利は非常に相関関係があります。
これは、
金利が上昇すると債券へ投資するより預金していた方が良い。
金利が下がると預金するより債券に投資した方が良い。
といったことを裏付けています。
債券は、投資対象としては安定性を求められることが多くどうしても預金と比較されます。
今回改めて検証してみてそのことが分かりました。
コメント