もう20年近く前になりますが、以前いた会社では燃料の仕入れの担当をしていた時に伊藤忠エネクス株式会社と取引がありました。
その時に担当の方には色々お世話になりました。今は偉くなっていると思います。
そういった事があり伊藤忠エネクスという会社にはちょっとだけ思い入れがあります。
その伊藤忠エネクス株式会社がスポンサー・運営管理をしているのがエネクス・インフラ投資法人です。
他のインフラファンドの中では上場後間もなくまだまだ新しく、タカラレーベン・インフラ投資法人などと比較すると注目度は低いような気がしますが、個人的にはこのような理由でエネクス・インフラ投資法人に注目しています。
エネクス・インフラ投資法人について調べました。
エネクス・インフラ投資法人と伊藤忠エネクス株式会社の関係
エネクス・インフラ投資法人はエネルギーの総合商社である伊藤忠エネクス株式会社が中心となり、REITの運用の実績のある三井住友信託銀行、金融・不動産事業の株式会社マーキュリアインベストメント、再生可能エネルギー発電設備への投資実績が豊富なマイオーラ・アセットマネジメントPTE.LTD.の4社で作るスポンサーグループによってサポートされています。
伊藤忠エネクス株式会社の弱い所は他の3社のスポンサーが支援することで補われています。
実際の資産運用はエネクス・アセットマネジメント株式会社が行っています。伊藤忠エネクス株式会社はこのエネクス・アセットマネジメント株式会社のスポンサーにもなっています。
このように伊藤忠エネクス株式会社はエネクス・インフラ投資法人の資金面・運用面の両方で中心的な役割を担っています。
エネクス・インフラ投資法人の収益性
エネクス・インフラ投資法人の収益は他のインフラファンドと同様に施設を発電業者に貸し出すことにとる賃料収入が基本です。
これにより発電量の変動リスクを最小化しています。また、天候が良く発電量が想定より上振れした場合にはその量に応じて賃料も増えるようになっています。
このようにエネクス・インフラ投資法人は固定の賃料収入による安定した収益を確保するとともに発電量が多くなった時にも収入が増えるようにキャッシュフローの安定化を目指してします。
エネクス・インフラ投資法人の今後の方針
日本ははじめ世界的にも再生可能エネルギーの発電設備はこれからますます増加します。
そのような中エネクス・インフラ投資法人は太陽光発電設備を中心に投資をしていますが、風力発電設備や水力発電設備への投資の可能性についても言及しています。このような太陽光発電設備以外の発電設備について明確に言及しているインフラファンドは他にありませんので、エネクス・インフラ投資法人が最初に投資をするインフラファンドになるかもしれません。
また中長期的には、収益を安定させ分配金の原資を確保すると同時に効率的な発電設備に投資を続けさらなる収益の拡大を目指しています。
エネクス・インフラ投資法人は再生可能エネルギー発電設備への投資をする事により収益の維持・向上をはかり、健全な財務基盤の構築を目指しています。
価格の推移
下のグラフはエネクス・インフラ投資法人の直近2年の取引価格の推移です。
エネクス・インフラ投資法人の権利確定は11月末です。グラフでは黒丸で囲んでいるところです。
権利確定の2~3週間前から価格は下がりはじめています。また逆に、価格は権利確定の数か月前から上昇しています。
この辺りは他のインフラファンド同じような値動きをしています。
また、最近は利回り6%前半となる価格帯で安定しています。他にインフラファンドも利回り5%後半から6%前半で推移していますので、このレンジを見ながら取引が行われている感じです。
エネクス・インフラ投資法人も他のインフラファンドと同様に利回りを意識されていることが価格推移のグラフから読み取れます。
資産ポートフェリオ
下の日本地図は県別に日照時間を色分けしたものにエネクス・インフラ投資法人が保有の発電設備を赤丸でプロットしています。
エネクス・インフラ投資法人は日照時間の多い太平洋側を中心に現在8か所の発電設備を有しています。
数は8か所と少ないですが、8か所のパネル出力を合計すると約140MWとなり上場している7つのインフラファンドの中ではカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人に次ぐ2番目の規模となっています。
これは、大型の発電設備に絞って投資しているかと言えばそうではなく、松坂太陽光発電所が飛びぬけて大きく規模では全体の70%弱を占めています。ただ、インフラファンドは色々なリスクを分散させることが必要だということを考えれば、1つの発電設備に依存しすぎかなと思います。
ここはこれからの課題ではないかと思います。
まとめ
エネクス・インフラ投資法人は伊藤忠エネクス株式会社を中心に運営管理をしているインフラファンドです。
伊藤忠エネクス株式会社はエネルギー商社ですので、電力の売買に関して非常に強みを発揮できます。
設立は2018年と比較的新しいインフラファンドですが、2020年に松坂太陽光発電所を取得したことにより総発電量は7つのインフラファンドの中では2番目となりました。
このように新規に発電設備に投資を行い、規模を拡大することにより収益を安定かつ向上を図っています。
エネクス・インフラ投資法人が設立してから時間が経っていないわりには規模は大きく、1つの発電設備の依存度が高いところはリスクとしてとらえる必要がありますがさらに今後も拡大を予想されます。
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