私たちの健康と日常の生活を考えたときに睡眠が担う役割を本当に重要なものです。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つのフェーズに分かれており、レム睡眠ノンレム睡眠ともにそれぞれ大切な役割があり、それぞれ異なる特徴を持ち、私たちの身体と心が健全に保たれていることにはこのレム睡眠ノンレム睡眠がしっかりと機能していることが必要です。
レム睡眠とノンレム睡眠とは
レム睡眠は、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の略です。レム睡眠中には眼球が動くことからこの名前がつけられました。眠っている人のまぶたをいたずらで開いたことがありますが、実際に左右に小刻みに動いていてびっくりしたことがあります。レム睡眠中の脳波を調べると覚醒(目が覚めている)している時の脳波と似ていることが分かっています。また、夢を見るのもノンレム睡眠中と言われています。
一方で、ノンレム睡眠は、Non Rapid Eye Movementの略で、脳が休息する睡眠フェーズです。
レム睡眠中は、脳は活発に仕事をしている状態で脳波も不規則に変化し、心拍数や呼吸も大きく変動します。また、ノンレム睡眠中は筋肉の緊張がなくなった状態、いわゆる緩んだ状態になり、レム睡眠中は筋肉が麻痺するため、身体を動かすことができません。
睡眠中にはこれらのレム睡眠とノンレム睡眠の状態が繰り返されます。
レム睡眠の役割
レム睡眠のフェーズでは、覚醒時の脳波と同じような波形の脳波がでており、身体は休んでいるが脳は働いているような感じです。レム睡眠の間に記憶の整理・定着や情報の整理が行われ感情の処理にも大きな影響を与えています。その過程で夢を見るということになるといわれています。また、レム睡眠中には身体の筋肉が弛緩し、身体に深い休息を与えるという意味でも重要な役割があります。
ノンレム睡眠の役割
ノンレム睡眠の間は、ゆっくりとした心拍数や呼吸となり、血圧は低めで安定した状態になります。ノンレム睡眠は、睡眠の深さによって4つのステージに分けることができます。浅い方からステージ1となり一番深いステージがステージ4と言われています。
- ステージ1:眠った直後の段階で睡眠としては非常に浅い段階です。何らかの外部の刺激ですぐに目覚めます。
- ステージ2:ステージ1の時より脳波はさらに遅くなり、それに伴い体温や心拍数が下がり始めます。
- ステージ3、ステージ4:深いノンレム睡眠の状態で、スローウェーブ睡眠と呼ばれることもあります。非常にリラックスした状態になります。
深いノンレム睡眠の状態では、大脳皮質の冷却が行われ疲労回復に役立っています。また、成長ホルモンは深いノンレム睡眠中に分泌され、その分泌される成長ホルモンにより成長が促され身体の修復が行われます。そのためノンレム睡眠は健康と身体の発達にとって非常に重要な役割を担っています。
ノンレム睡眠はリラックスした状態となり大脳を休め、日中の間に体をコントロールするための多くの電気信号により熱を持った大脳をクールダウンするとともに成長ホルモンの分泌を促すという非常に大切な役割を持っています。
レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル
レム睡眠とノンレム睡眠は交互に現れ、お互いにそれぞれ違う役割を担っています。
このサイクルには体質や年齢、生活習慣によってことなるので個人差をありますが一般的には大体90分ごとの周期で現れます。このサイクルを一晩寝ている間に数回繰り返します。
リム睡眠とノンレム睡眠の違いのまとめ
レム睡眠
- 急速眼球運動があらわれます
- 眠りはじめの状態です
- 筋肉は麻痺した状態になり身体を動かしにくくなります
- 感覚刺激では目覚めにくい状態です
ノンレム睡眠
- 睡眠が深くなると眼球は停止します
- 脳はゆっくりとした活動になり、脳波の波長も長くなります
- 筋肉の緊張は保たれた状態になり動かすことはできます
- 脈、血圧は低めで安定した状態です。
このように睡眠は単に体を休めるだけでなく、心理的、生理的な健康を維持するためにも必要です。レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを理解し、質の高い睡眠を得ることで、日々の生活の質を向上させることができます。
質の良い睡眠をとるにはこのレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを知っておくことが大切です。
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