運動と睡眠：運動によって健康を保つことかが睡眠の質を向上のカギです

運動と睡眠は深い関係にあります。運動によって健康を保つことかが睡眠の質を向上のカギです。

最近思うのですが、室内で運動したときと外で体を動かした時では外で体を動かしたときのほうがよく眠れる気がします。やっぱ外の空気をすると余計に疲れるのかなぁと思っていましたが、どうもそれだけが理由ではないようです。

運動するとよく眠れるのは運動すると体が疲れるのでよく眠れると思っていましたが運動すると眠りがよくなる理由はほかにももっとあります。

運動と睡眠は関係も思っているよりは複雑で、お互いに影響を与え、それぞれに重要な役割を果たしています。

運動と睡眠
運動が脳に与える影響
睡眠をコントロールするホルモンと運動の関係
運動と健康、そして睡眠

運動と睡眠

運動は睡眠の時間を長くします。それにより深い眠りと言われているノンレム睡眠の占める割合が多くなります。ノンレム睡眠は、身体の修復や成長、免疫機能の強化に重要な役割を果たしていますまた、運動は睡眠に入るまでの時間を短くします。これは、運動すると夜中に目が覚めることなくぐっすりと眠れるとかベッドに入ると速攻寝落ちしたという経験は皆さんも経験していると思います。これは運動によっておこる一時的に体温が上がりその後低温になると体温調節の変化が入眠を促進しています。運動の種類やいつ運動するかということも大切なポイントになります。激しい運動と経度の運動では睡眠へ与える影響も違います。激しい運動をすると交感神経は刺激され睡眠の質は悪くなる傾向があります。しかしながらウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動したあとはリラックスし状態になり睡眠の質を向上します。また、就寝前の運動は先ほどの激しい運動と同様に交感神経を刺激し興奮状態になり睡眠の質を下げます。運動は就寝前ではなく朝や午後に行うと良い効果があります。

運動が脳に与える影響

脳の活動を把握するのに役立つのが脳波ですが、運動はこの脳波にも大きな変化をもたらします。運動することによりリラックスしているときの脳波であるα波が増加し、集中しているときに出るβ波は減少します。この脳波の変化により深い眠りにつくことができます。

また、運動は脳内の神経伝達物質であるエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンなどの分泌を促進します。これらの神経伝達物資によりリラックスした状態になります。これらの中でエンドルフィンは「幸福ホルモン」呼ばれストレスの軽減や気分の改善に大きな役割を果たすといわれています。

さらに、運動は脳を作っているニューロンと呼ばれている神経細胞にも影響を与えます。ニューロンはでいろいろな情報を処理したり伝達をしたりしています。運動によってこのニューロンの働きが活発に活動することでBDNFと呼ばれる脳由来神経栄養因子が分泌されます。記憶や学習能力に影響する海馬の大きさに関係していることが分かっています。

運動は、ストレス応答系(視床下部-下垂体-副腎軸、HPA軸)に影響をあたえ、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を減らします。これによりストレスは軽減され気分は安定した状態になり、睡眠の質が上がります。このように運動は脳の健康な状態を維持することに非常に大切な役割を果たしています。

睡眠をコントロールするホルモンと運動の関係

運動は脳のいろいろな機能に良い影響を与えていますが、これらはすべてホルモンバランスがキーになります。運動が影響を与えているホルモンには次のようなものがあります。

まずは成長ホルモンです。成長ホルモンは細胞の修復や代謝の調整し筋肉や骨の成長させる役割を持っています。運動は特に睡眠中の成長ホルモンの分泌を増やし体の成長や回復に寄与します。

次に、体内時計をコントロールする睡眠にとって非常に大切な役割をするメラトニンです。メラトニンは光によって分泌されることはよく知られていますが、運動もメラトニンの分泌を増やし体が眠りにつく状態にする役割を果たします。

そしてストレスホルモンと呼ばれているコルチゾールです。運動はコルチゾールの分泌を抑えストレスを軽減し睡眠の質の向上を図ります。このように運動によりホルモンバランスを保ち質の良い睡眠をとることができるようになります。

運動と健康、そして睡眠

身心が健康であることが良い睡眠を得る第一歩です。

運動を継続することで脳の認知機能の向上させることができます。先ほど説明したBDNFの分泌が増えることにより学習能力や記憶力が高まります。さらに運動はアルツハイマー病や認知症などの神経変性疾患のリスクを低減する効果があるといわれています。老化による認知機能の低下を遅らせます。

運動は免疫細胞を活性化し免疫効果を高め、病気の予防や健康維持に効果があります。

反対に、運動不足は寝つきが悪くなる、夜中に目が覚めるといった睡眠の質を低下させます。さらにストレスが溜まりがちになり、不眠症や睡眠障害などの原因になります。

睡眠という観点からも運動は非常に大切です。ウォーキングやジョギング、ヨガ、ピラティスなど、自分に合った運動の種類や強度で無理なく続けることができる運動を見つけることが大切です。また、ストレスや不安を軽減させる意味でも定期的に運動することを意識する必要があります。