価格は需要と供給に非常に左右され、需要と供給で折り合いがついたところで価格は決まります。
これを視覚的に分かりやすく表したものが需要曲線と供給曲線のグラフになり、それぞれを重ねた時の曲線の交点が価格になります。ということは…
需要曲線もしくは供給曲線が横にズレれば価格も動きます。
これは市場での価格の動きです。
価格の動きが予測出来れば良いことだらけだと思いませんか?
需要曲線・供給曲線はどのような時に動くのでしょうか?
価格が決まる仕組み
そもそも市場ではどのように価格が決まるのでしょうか?
需要と供給で決まります。
需要曲線、供給曲線は縦軸に価格、横軸を需要量と供給量に見立て描いた曲線です。
需要量と供給量のちょうどよい所が価格になります。
需要曲線が動く理由
バーゲンなどで商品の値段が値下げになった場合は、値段が下がると需要は増え値段が上がると需要は減るといったように、値段の上げ下げは単に需要曲線の上を動いているだけです。
価格を動かすのは需要曲線上の点の動きではなく、曲線自体を動かす力です。曲線自体をシフトさせる力です。
価格と需要量以外の変化で需要量に変化を与えるものです。パラメーターみたいな感じのものです。
需要が増えるということは需要曲線が右へシフトすることです。
逆に需要が減るということは需要曲線は左へのシフトとなります。
具体的には以下のようなものがあります。
新商品の発売
新商品が発売は需要に変化を与えます。
競合する商品が発売されれば既存商品と新商品に需要は分散されますので既存商品の需要は減ります。
お互いに需要を補完しあう商品が出た場合はより需要量は増えます。
所得の変化
消費者の所得の変化も需要曲線をシフトさせます。
一般的には消費者の所得が増えると消費意欲は増えるので需要は増え、逆に所得が減ると需要は減ります。
逆に低品質低価格を押し出している商品などは所得が増えると需要が減る商品も実際には多くあります。
どちらの場合でも所得の変化は需要曲線に大きな影響を与えます。
関連性の高い商品の価格の変化
この場合、2つのパターンがあります。
一方の価格が下がるともう一方の消費者の購入意欲が低くなるもの。競合する2つの商品の場合です。例えば電車を考えると競合するバスの料金が下がるとバスを利用しようという人が増え電車を利用しようという人は少なくなります。このように競合する商品の関係を代替財と呼びます。バターとマーガリンも代替財です。
お互いに補完しあうパターンもあります。一方の価格下がるともう一方の消費者の購入意欲も高くなるもの。例えばガソリンと車を考えると車の価格が下がり車を購入する人が増えるとガソリンの消費量も増えるという具合です。このような関係性のあるものを補完財と呼びます。バターとパンは補完財です。
どちらのパターンでも需要曲線をシフトさせる原因となります。
嗜好の変化
消費者の嗜好の変化も需要曲線を動かす理由になります。
あるものを好むようになれば需要は増え需要曲線は右にシフトし、好まないようになれば需要はへり需要曲線は左にシフトします。
期待の変化
将来の価格や所得の期待や予想も需要曲線と関係あります。
価格が上がりそうな場合は価格が上がる前に商品を購入しようと考えるので需要は増えます。価格が下がりそうな場合は今買うより価格が下がる時期を待って買う人が多くなるので需要は減ります。
所得の場合は、所得が上がりそうであれば需要は増え、所得が下がりそうな場合は買い控えが多くなり需要は減ります。
このように将来の期待・予想でも需要曲線はシフトします。
供給曲線が動く理由
よく天候が良くて野菜が取れすぎてしまい値段がつかないという話を耳にしますが、これは供給曲線のシフトしている訳ではなく供給曲線上を動いていることになります。
需要曲線がシフトするのと同様に供給曲線もシフトします。
供給曲線をシフトさせる要因は色々ありますが、基本的には従来の価格と供給量の関係を変化させるような供給にインパクトを与える事象です。
生産コストの変化
商品の生産コストが何らかの理由で変化した場合、コストが下がれば生産しようとする人が増えたり、生産量が上がったりします。結果として供給量は増え、供給曲線は右にシフトします。
逆に、燃料が高騰して生産コストがふくれてしまうと供給量は減り、供給曲線は左にシフトします。
技術の変化
技術革新は生産量を飛躍的に伸ばします。
その結果、需要は増え需要曲線は右にシフトします。
期待の変化
需要曲線と同様に将来の予想や期待も供給曲線に変化を与えます。
先ほどの野菜の価格の話もありましたが長期天候予報などは供給曲線をシフトさせる大きな要因の一つです。
結果的に野菜がとれなかったという結果ではなくあくまで予想です。
今年は冷夏になりそうという予報になるとエアコンの生産は少なくしようという事でエアコンの生産量は減少しエアコンの供給曲線は左にシフトします。冷夏なので薄手の長袖のシャツは増産しようということになりこの供給曲線は右にシフトします。
まとめ
このように需要曲線・供給曲線ともに間接的な変化(価格やそれぞれの量以外の要因による変化)があると右にシフトしたり左にシフトしたりします。
需要曲線または供給曲線がシフトすることより価格の変動が起こります。
実際には色々な要因が絡み合っていますが、価格の本質を理解する上で簡単なモデルで考えるということが必要です。
それらを理解した上で、どの要素が一番影響を与えるかということを見極めるということが価格を予測するうえで非常に大切になります。
(それが分かれば誰も苦労しないのですが…)
需要曲線と供給曲線が動くと言われると難しい気がしますが、一般的な人がどうするかというように考えればちょっとシンプルになると思います。
シンプルに考えることが大切です。
コメント